奇想天外!

うたかた夫人

2008年07月20日 07:20

 
〈プラチナ・ファンタジイ〉〈英国SF協会賞/クラーク賞/ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞受賞〉未知のテクノロジーがもたらす衝撃を、ひとりの女性の人生に託して描く大作
<あらすじ>
2020年、中国、チベット、に国境を接する山岳国家のキズルダー村では、先祖伝来の棚田を耕し、昔から変わらぬ生活を続ける人々が暮らしていた。中国系女性チュン・メイは、そんな村の女性のために、町にでかけてドレスや化粧品を調達し収入を得る“ファッション・エキスパート”だった。ある日、キズルダー村で、新システム〈エア〉のテスト運用が行なわれることになった。〈エア〉は脳内にネット環境を構築し、個々人の脳から直接アクセスを可能にする新ネットワーク・システムで、一年後の全世界一斉導入が予定されていた。だが、テストの最中に思わぬ悲劇が起きる。メイの隣人タンおばあさんが、システムの誤作動が原因で事故死してしまったのだ。テスト中、メイは〈エア〉内でタンおばあさんと交感、彼女の全人生を体験する。それ以降、おばあさんの意識はメイの脳内に住みついてしまうが、まるでその代償であるかのように、メイは偶然〈エア〉にアクセス可能なアドレスを取得する。それをきっかけにメイの人生は急転回を見せはじめる。〈エア〉がメイに、そして人類にもたらすものとは……。 早川書房HPより


はぁ~ しんど。。。
長編一冊を読み終えると、まさにひとつの旅を終えた気分だ
中盤までは 何度かこの本を放棄しようと思った
特に翻訳モノ 私はキライなのだ
覚えられないカタカナ名、人間関係 直訳まがいのまどろっこしい表現
それがSFモノならば 更に 想像力を駆使しなければ! 
この本 パソコン用語が頻繁で、それだけでも私 立ち往生やわ
パソコンに強い人向きの本なのだ
ってな訳で 中盤以降はがぜん面白くなったが、3週間もかかってようやく読破


主人公メイは世界で最後にオンラインにつながることになる村に住んでいた
彼女は 文字が読めない!
だけれども この村を田舎から脱却させ
文化的にも経済的にも向上させたいと 切に願い 行動している
エアシステムに真っ先に興味をもち ネットビジネスをはじめる事で。

男勝り 手のつけられない女 村の頭のおかしな女 

と言われながら さまざまな妨害も なんのその!
このシステムはテレビに向かって指示する言葉をしゃべるだけでいい
しちめんどくさい手順いっさい無し!(私向きじゃん) 
ボイスファイルにボイスメール
メイは「ツバメスクール」を始め 村人にテレビの使い方を教えようとする
だが いつの時代も 新しい風が起こる時は 未来に向かう人と過去に戻りたい人と・・
メイは未来へ過去へ 時間を自由に飛ぶことができた

ああ メイは人間大好き人間なのだ そして一流の政治家!
流行りモノに敏感で 優しくてあつかましくて 
身勝手で短気で惚れっぽく 強情っぱり
理性よりも感情を優先して行動してしまう

メイは三人の男を愛した
かつての夫  その弟で賢い男  誠実で単純でカッコいい隣家の不倫相手
最後にメイが選ぶのは 賢い男だが・・・
なんと 賢い男と不倫相手の男はメイを愛するがゆえに仲良く同居する!
この不倫で出きた児は なんとなんとメイの胃の中で成長して口から産まれてくるのだ!
精子と卵子が胃の中で着床するってことは・・オーラルsex や
このあたり、結末とともに なんとも 奇想天外! 
キスしたら妊娠するの?という子供の発想に似て 

小さな村でのスキャンダルだから メイはほとんど村八部
それでもメイは村を愛し 村人の命を守ることに必死だ
メイは大洪水がくることを予測して それこそ身を捨てて村人のために奔走する 
利用できる人、物 制度は貪欲までに使って、ネットビジネスは成功、村の経済を潤す

ハッピーエンド♪♪

この手の本を読むと 想像力の欠如を思いしらされる
中学生なら どんどん読み進んでしまうことだろうに・・・(悲)
でもねぇ・・もしも12年後にこの本の世界が実現したら・・・?!
「有り得ないよぉ」と即座に否定し タカをくくっている私がいる
10年後の予測もたたない時代を生きているというのに
まあ いいさ 世に遅るる また楽しくて 時代遅れの喜びの方を享受していきたいと思う

しばらくは 翻訳モノ見たくない気分 



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